プログラム内容

医師・学生の皆様へ

プログラム内容

呼吸器専門医

人口の高齢化、喫煙習慣、環境の変化などによって、肺癌、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、間質性肺炎などの呼吸器疾患は増加の一途にあります。『肺癌』はわが国でも年間7万人以上の患者さんが死亡しており、癌死亡原因の第一位です。

近年、アスベスト曝露を背景に発症する悪性胸膜中皮腫も全国的に問題となっています。新規抗癌剤の開発や新たなレジメンの策定、放射線治療などを含む集学的治療など肺悪性腫瘍の診断と治療は呼吸器診療において重要な位置を占めています。『COPD』患者は、近年の疫学調査では約530万人と推定されており、死亡者数も増加しており、全世界で第4位、わが国でも男性の死亡原因の第7位にランクされています。しかし、95%以上が未治療であり、早期診断と治療が急務となっています。『気管支喘息』の有症率も近年急速に増加しており、ステロイド吸入療法の普及で死亡例が確実に減少してきたものの、依然として全国的には3000例近くの喘息死が報告されています。

『間質性肺炎・肺線維症』をはじめとするびまん性肺疾患は、膠原病に併発する症例の増加や、慢性過敏性肺炎を含めたアレルギー性疾患の増加に加えて、各種薬剤に起因する薬剤性肺障害の増加も著しく、適切な診断・治療で改善する症例も多くみられます。

さらに、これらの呼吸器疾患に合併する慢性(急性)呼吸不全、呼吸器感染症もしばしば経験されるところで、NPPVなどの非侵襲的呼吸管理を中心とした呼吸循環管理、各種感染症に対する様々の診療を経験できます。また、『睡眠時無呼吸症候』群では日中の過度の眠気やQOLの低下以外に、夜間低酸素曝露による動脈硬化病変の進行とそれに伴う心血管イベントの発生、さらには高血圧症、糖尿病などの生活習慣病との密接な関わりが注目されています。

呼吸器専門医コースにおいては、これらの日常臨床現場で遭遇する頻度の高い疾患の診断と治療を確実に習得することを目標としています。できる限り多岐にわたる疾患の診療を経験できるように配慮し、稀少な疾患や特殊な病態を呈する症例は学会で症例報告ができるよう指導しております。

診療する主な呼吸器疾患
  1. 呼吸不全
  2. 慢性閉塞性肺疾患
  3. 気管支喘息
  4. 肺癌
  5. 睡眠時無呼吸症候群
  6. 間質性肺炎
習得できる手技・検査
  1. 気管支鏡検査
  2. 睡眠ポリグラフ
  3. 心肺運動負荷試験
  4. 気道過敏性検査
研修指導医
  • 室 繁郎(教授)
  • 吉川雅則(病院教授)
  • ⼭内基雄(准教授)
  • 本津茂⼈(講師)
  • 山本佳史(助教)
  • 藤田幸男(助教)
  • 田崎正人(助教)
  • 太田浩世(助教)

週間スケジュール

月曜
  • 気管支鏡検査
  • チャートラウンド
  • 新患カンファレンス
火曜
  • 各種勉強会
水曜
  • モーニングカンファレンス
  • 教授回診
  • チェストカンファレンス
  • 睡眠時呼吸障害カンファレンス
  • リハビリカンファレンス
  • 呼吸機能検査
木曜
  • CPC
  • 各種勉強会
金曜
  • 呼吸機能検査
  • 気管支鏡検査

カンファレンス等

  • モーニングカンファレンス 興味深い症例についてプレゼンテーションとディスカッションを行います。 学会での症例報告の前段階となります。
  • チェストカンファレンス 呼吸器外科・放射線科・放射線治療科と合同でカンファレンスを行い、肺癌症例だけでなく診断が困難な間質性肺疾患やびまん性肺疾患等幅広く症例を取り上げてディカッションし、治療方針を決定します。
  • 睡眠呼吸障害カンファレンス 睡眠ポリグラフの結果解析を中央検査部と合同で行い治療についてディスカッションします。
  • リハビリカンファレンス COPD、間質性肺炎などの慢性呼吸器疾患を対象とした、呼吸リハビリテーションの導入、指導方法、効果、今後の方針について中央リハビリテーション部とともにディスカッションする。

呼吸器セミナー講師

年6回程度、外部講師を招聘し、研究・臨床に関する新たな知見を学ぶ機会としています。 →呼吸器セミナー
  • 本間生夫教授(前昭和大学第二生理学教室)
  • 久保惠嗣教授(前信州大学医学部内科学第一講座)
  • 三嶋理晃教授(京都大学大学院呼吸器内科学)
  • 松島綱治教授(東京大学大学院医学系研究科分子予防医学教室)

そのほかにも多彩な講師陣をお招きしています。