沿革
当教室の前身は奈良県立医学専門学校時代にさかのぼることができ、1953年、正式に奈良県立医科大学内科学第二講座が設立されたことによる。内科学第二講座の初代主任教授としては、1949年から当大学内科学に着任していた宝来善次教授が1953年に就任した。
宝来教授は、当時呼吸器診療としては結核が主流であった時代にあって、わが国の近代呼吸器病学の発展を築いた先駆者の一人であり、第3回日本胸部疾患学会(現 日本呼吸器学会)の会長として、同学会総会を1963年10月に開催したことからも、当時から当教室の呼吸器診療・研究が全国的レベルで評価されていたことがうかがい知れる。
その後、1977年に東京大学第三内科から第二代教授として三上理一郎教授が着任した。三上教授は、宝来教授時代から引き継がれた、じん肺症研究とともに、サルコイドーシスやびまん性汎細気管支炎を中心としたびまん性肺疾患、さらに肺音研究の発展にも力を注いだ。
その後、1986年には第三代教授として成田亘啓助教授が昇任した。成田教授は、じん肺症の研究発展にさらに力を注ぐとともに、呼吸器感染症、肺結核症研究の第一人者として、奈良県のみならず、わが国の呼吸器感染症のリーダーとして活躍した。
2001年4月には木村 弘教授が第四代教授として千葉大学呼吸器内科から着任し、一般内科診療の重要性を基本姿勢としつつ、呼吸器疾患ならびに呼吸器疾患と関連性が深い生活習慣病をその中心と位置づけ、血液疾患領域に関しても着実に実績を積み重ねてきた。
2018年4月から室 繁郎教授が第五代教授として京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学から着任し、今に至る。
なお、当講座出身の教授としては、2004年4月には、2003年10月に当院に設置された感染症センターの初代教授として三笠桂一前助教授が就任し、2008年4月には濱田 薫前准教授が、本学看護学科臨床病態医学講座教授に就任した。
また、2014年4月には輸血部教授に松本雅則教授、免疫学講座に伊藤利洋教授が就任した。
2023年4月には血液内科教授に松本雅則教授が就任し、呼吸器・アレルギー内科へ再編した。